「私が読みたいBL小説のあらすじ1」

あらすじというか思いつきなのでネットスラングとかひどいです。

<第1部的な部分>

私にとってのBL的な萌えが何かと言うと、低俗で卑怯な中年クソジジイに父性と友情と愛情と母性と憎しみを性的な衝動に変換して粘着な愛情を注ぐ無機物のような美青年という構図ですね。

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絵に書いたような下賤を極めたおっさんではダメで、そこらへんにいるような小心者で見栄っ張りで悪い人ではないけど流されやすい小市民というのがいいですね。

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美青年は間接的に殺せばいいですよね、おっさんを。直接じゃなくて付き合いで飲酒量が増えたとかそういう、おっさんが小市民であるがゆえに抗えない理由を美しさゆえに築いて。それで美青年も小心者のクズだから罪悪感を抱くんだけど打ち明けることも出来ず、自暴自棄になるといいですね。

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自暴自棄になった美青年にストーカー気質のメンヘラ女が肉便器を名乗り出るんだけど青年に愛はないし性嗜好も異なるから正真正銘肉便器。このクズ美青年が女を棄て男に走るとメンヘラ女は肉便器である限りすてられることはないという自負が防波堤になっていたので思い詰めてODとかするんですよ

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ODしたことでメンヘラ女の自称友だち(多分ネッ友?)が美青年を責め立て美青年はおとなしく話を聞いて反省するそぶりをするけどそれよりもあわやまた間接的殺人をおかすところであったという恐怖の方が大きいのですね。その恐怖をたいして好きでもない男に愛情という名の執着を向けて誤魔化すのです

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メンヘラ女は不幸な自分が好きなのでそれ以上の追求はないけど背景色#000000のブログにつらつら書くんですよ、美青年くん忘れられないよ…あなたの声も…肌も…みたいなのを。その存在は美青年を苦しめるんだけど、それがある限り生存している証明であるから安心もするというアンバランス美青年

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美青年は持ち前の不眠症が悪化し淫獣のように男たちの家を渡り歩くようになるのですね。でも小心者なので性病対策は怠らないのです。どうなってもいい構うもんかみたいなこと言いながらどうかなるのは困るのですね。イライラ。でもそういう不安定で不健康な生活で退廃した雰囲気がまた色気になるのです

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このクズ美青年には自殺するという発想はないんだな。ただ責任の追及から逃れたいというのが行動の原動力なんだけど、彼がおかした罪というのは罪というほどの罪でもない。それを人類最大の汚点のようにすら感じているんです。

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紆余曲折の末に嗜虐的な精神科医のおっさんのもとに辿り着いて、おっさんは美青年を罵倒し時には殴ってさえくれるんだけど、何分小市民なのでそれを背負いきれないんだな、後悔しまくって、青年の前から姿を消してしまうのだ。その頃には美青年もアラサーになっていて美しさに翳りが出てきているのだ

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昔相手してくれた男たちは女と結婚してたり特定のパートナー見つけてたりしてもう構ってくれないんだよ。思い余ってメンヘラ女に連絡してみるけどメンヘラ女ももう脱メンヘラして銀行員と結婚して一男一女をもうけている。

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ろくな仕事もしておらず、半端サディスト精神科医がくちききをしてくれた職場も全員が自分を棄てられた惨めでみっともない男だとあざ笑っている気がして耐えきれずやめてしまう。半年ほどネット廃人と化す、最初の三ヶ月は自慰にふけるがそれも飽きろくにのまず食わずの日々。家賃を滞納してしまう。

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実家に帰るか迷うがこれまでのことを厳格な家族に話す勇気はなく就職する元美青年。部品組立のライン業務に就く。一月経った頃に部署の違う小汚いおっさんに声をかけられホイホイ部屋にころがりこむ元美青年。家事洗濯諸々やらされる。おっさんは女代わりが欲しいのだと気づき後悔するがもう遅い。

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おっさんはそれまでのおっさんよりも遥かにクズなので元美青年とできてることも枕事情もべらべら喋る。若手のクズの一団が早速元美青年を囲んで色々して本物のクズは限度を知らないので元美青年は死にそうになるが死なない。気づけば病室で両親が泣いているのを見て初めて生きていることを悔やむ。

<第2部的なところ〜DVマン誕生〜>

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実家に連れ戻される元美青年。この時には殴られた痕で顔が歪んでいる。元美青年は自分の容姿しか自信がなかったので完全な引きこもりとなり外へ出ない。食事も部屋でとり、酒ばかり飲む。外へ出そうと厳格な父が力技ではかると暴れる。元美青年は父の力が衰えたことを知りそれが悔しくDV男子になる。

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DVマンとなってからは出会い系で美少年を漁りペットのように扱う。お金は暴れれば両親が出すと知ったので財源に困らない。だがその事情をペットの1人から聞いたノンケDKがある日現れて元美青年を責める。元美青年は父親だけを相手にして勘違いしてたので殴ろうとするが現役DKの方が強かった。

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ノンケDKは親は優しいし恋愛は異性とすると思い込んでるクソセルジュなので説得を試みるが元美青年は流石に何人もの男を渡り歩いただけあってんなこたないと知っているのでノンケDKを引きずり込もうとするがノンケDKはセルジュなので頑として断り友だちになろうとか抜かしやがる

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ちなみにこのノンケDKが元美青年が最初に執着してたキングオブ小市民のおっさんの次男だったりする おっさん転勤してた

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でもこのノンケDKは死ぬよね!経緯はよくわからないけど父親を元美青年が殺そうとして止めに入って死んでしまうよね!

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元美青年は自分が九死に一生で生き延びたから死なないだろうと高を括るけどDKは死んじゃうんだよ!これで初めて元美青年は直接人を殺したことになるね!そしてその父親も自分が間接的に殺した(と思い込んでる)ので、元美青年は抱えきれなくなってしまって取り調べやらなんやら全て生気なくするよね

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刑期のことはよくわからないけれど何分DV男子だったので割と厳し目の判定になるね!裁判員裁判的に!でも死刑じゃないので元美青年は死にたくて仕方ないけど生きなければいけないね!刑務所入ってる間もしんでしまいたいと言っては怒られるね!

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週刊誌やワイドショーやネットのまとめが面白おかしく書くから同性愛自体非難されて元美青年はあちこちから責められることになるね。でもそのことに安心してしまう元美青年がいるんだよ、これでようやく全ての罪を抱えないですむとホッとして弁護人か何かよく知らないけど話聞いてくれる人に色々話すよ

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あんまり考えてなかったけど多分原体験としてスーパーボールを投げたら金魚に当たって金魚が死んでしまったみたいな体験があるんじゃないだろうか元美青年。

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その時にすべての行動に責任を持てと厳格な父に叱られたとかありそう。

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元美青年は根は真面目な小市民なので模範的な服役囚になるけど罪の意識に苛まれて自分のような人間が模範囚として刑期が早まってはいけないと思い詰めたりする。顔は歪んだままにしても規則正しい生活で痩せていきかつての面影を取り戻す元美青年。でももうおっさんになっている。

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出所が近づいた日、1人の美青年が面会にやってくる。元美青年が殺してしまったDKの友人=元ペットである。パートナーと定食屋を始めたから出所したら働かないかという話だった。「彼が生きていたらきっとそうしたと思うのだ」元ペットはノンケDKのことが好きだったのだ、、、

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ちなみにパートナーはオカマで、定食屋は釜めし屋。

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一度だけメンヘラ女から手紙が届いた。子を持つ親としての悲しみを綴り、最後に、微妙に未練をちらつかせているあたりに元メンヘラ女らしさが光る(主婦うつは当然通過した)。かつてはそれを嫌悪しただろうけどもう元美青年はそれを穏やかに受け入れるくらいにはおっさんだだった。

<第3部〜シャバに出たぜそして伝説へ〜>

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出所して定食屋に就職した。ノンケDKの母親に謝罪しようとしても拒否された。亡き夫が一時期若い男と浮気していたことをぼんやり知っていたようだった、それで息子には厳しく男女愛が本当なのだと教えたのだった。だから元美青年がまさか当該の人とは思わないが、同性愛者を許せないのだった。

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元美青年は今はもう自殺したところで誰も救えないと知っているので自殺はしないが一切の性欲を封じた。たまに元ペットに欲情しないこともないが、自分のことは自分でできるのです。父親はもう心労からか死んでいる。たまに会いに行く過干渉の母親は彼の顔色を伺って怯えている。色々トラウマなのだ。

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数年は元ペットのところで働いていたが、やがて元ペットがパートナーと別れることになりお店をたたんで離散する。元美青年は寮完備の工場で働く。ライン業務で誰とも話さないようにするが、そんなわけにもいかないのでぼちぼちと友だちができる。かつての苦い記憶から性癖は隠す。

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寮完備といっても同僚と相部屋で狭くてプライベートはない。同僚が働き盛りで失職した真面目なおっさんで、正社員を目指してると言いながらも遅くまで酒を飲んで遅刻したりするクソ。でも元美青年はそもそもそういうクソが好きなので、好意を隠しながらもやけに密着したりしてしまう。

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同僚のおっさんに気持ち悪がられ、部屋を変えられてしまう元美青年。瞬く間に噂が広まる。前科持ちという噂もあったのでかつてみたいにいじめはないが避けられる。が、朴訥とした青年が近づいてきて、自分も実はそうだといい、部屋にころがりこんでくる。

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朴訥青年のことは好みでも何でもないのだけれど、嬉しくてついつい手を出してしまう。朴訥青年は朴訥というか見た目キモヲタなのでその日からいじめを受けるが元美青年がいるから耐えられるんだと目を輝かせる。

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いじめはエスカレートしていく。元美青年は自分が死にかけたことやDKが死んだことを思い出し、朴訥青年と工場を出ることを決める。元美青年は次期契約をサインしなかったが朴訥青年は朴訥というかアホなのでよくわからずサインしてしまう。辞めるのは悪いことと朴訥は思っているので2人は別れる。

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朴訥を残してひとり街に戻った元美青年は毎夜朴訥青年が寮の裏の駐輪場で同僚や上司に犯され殴られ殺される夢を見る。受刑中に寛解した不眠症が再発する。起きるたび「また殺してしまった」と怯えているのに興奮していることに気がつく。

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毎朝ネットニュースで朴訥青年がニュースにあがっていないかチェックして、何事もなければ安心してもういい年だけど射精する。だが射精の後にまた「まだ明るみに出ていないだけでは」「会社ぐるみで隠しているかも」と不安が募り、食事も喉を通らない。新しい職場の作業着はすぐぶかぶかになった。

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ある秋の日に大雨があり川が溢れて避難所暮らしをすることになった。しばらくして救助が遅れた施設の老人たちが避難所にやってきた。その中に自分の母親の姿があった。身内を探しているので名乗ったが母親は「こんな醜い怖い顔のおじさんは知らない。息子は天使のように美しいのだ」と泣きわめいた。

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痴呆なのだと職員に説明を受けていたところに親族が現れて元美青年は近寄るなと怒られる。避難所のトイレで鏡をみれば、不健康に痩せ衰えた初老の歪んだ顔の男がいた。しばらく昔のことを忘れていたが蘇り苦しくなる。少年時代、母は美しい息子が大好きだった。全身をなぶられたものだった。

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トイレで愕然としているとDC数人に囲まれて性癖をからかわれて嬲りものにされる。でも元美青年的にそれが久しぶりで、妄想の中の朴訥青年に自分を重ねて恍惚とする。その気のない若者が遊び半分にした後の展開は学習しているので、外出するフリをしてそのままライフラインの復旧してない町へ出る。

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雨は断続的に降り復旧が進まない。増水している川へ行き身を投げようとしたが警備が厳しい。ところどころに出来ている大きな池に意図的にはまって歩く。池の中のがれきで足を傷つけて血が滲んだ。元美青年の歩いた後に血の道が出来た。元美青年はDKの家を目指して歩いていた。

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DKの家っつっても、普通に歩いて行ける距離ではないのだ。なぜなら山奥の工場を出た後は実家から離れた田舎のほうに住んだから。老人施設もなぜか大抵不便な田舎にあるので母親と再会したのはそんな理由。とにかく歩けない距離を歩こうとしていた。歩けなくなった時に死ぬのだと思っていた。

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暗くなって前がみえないので腰をおろした。また雨が降ってきた。凍死するのかと思った。あの世でDKに会っても合わす顔がないと思った。朴訥青年のことはすっかり忘れている。

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目が覚めたらどこかの家だった。アパートのようだった。男がいて、それがあのDKの父親でクソ小市民のおっさんとクリソツなので悲鳴をあげた。男はDKの兄だった。DKが死んだことがきっかけで破談になって以来独り住まいなのだという。男は元美青年が誰かを知っていた。

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殺してやろうと思ったけど頃したら犯罪者である元美青年と同等になるし殺す勇気もなかった。放置しようとも思ったが自分は保安警備が仕事なのでできなかった。かといって公的機関に預けてのうのうと安心させることもしたくなかったと語る男。

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元美青年は最初はただの風邪みたいだったが高熱が出て日に日に悪くなった。男は元美青年を看病したり罵倒したり首に手をかけたりした。仕事に行くときには必ず飲み物とおにぎりを枕元に置いた。入院するかと聞かれたが、元美青年は拒否した。男はある日青ざめた顔で出ていった。そのまま帰らなかった。

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その意味を了解したので元美青年は男の残した飲み物と食べ物を摂取するとあとは弱るに任せた。最後の力をふりしぼって家中をめちゃくちゃにした。弱って射精もままならないのに自慰をして部屋を汚した。しばらくして熱が下がったがからだがひきつるようになった。

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からだがそりかえり痙攣し息ができない。死の前にはこれまでの出来事をおもいだすと思っていたがそれすらない。痙攣して苦しいだけが記憶に残った。死因は痙攣を原因とする窒息。隣室の住人が「呻き声が聞こえなくなったのに誰も出入りしないから怖くなって」通報し発見された。

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元美青年の葬儀は男から連絡を受けた元ペットが取り仕切った。親族はとりあわず無縁仏として処理される。元ペットはパートナーとよりを戻してバーを始めたところで、「また呼ぼうと思っていたのに」と泣いた。不審死として少しニュースになったので後から朴訥青年もやってきたが新しい男を連れていた。

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男は責任を問われたが現場の状況と元美青年の前歴から、暴れて手がつけられず身の危険を感じて逃げたのだとする証言が受け入れられた。男のひそやかな復讐は静かに終わったのだった。

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おしまい(2013/9/1-9/2 Twitterのログより)